舞鶴公園目次
京都府舞鶴市の田辺城跡にある公園「舞鶴公園」は、戦国時代に細川幽斎・忠興親子が築いた田辺城跡に整備された公園です。
かつての田辺城本丸および二の丸藩主邸の庭園に当たる場所に作られた公園ということで田辺城公園と呼ばれることもあり、お城跡ですが観光地というよりも「地域の人の憩いの場」というかんじです。
自由広場やバラ園、歴代城主や田辺城の歴史を紹介する資料館もある広い公園は、のんびり過ごせる場所として地域の方々で賑わっています。
田辺城は戦国時代から江戸期にかけての平城で、建てられた城はその形が「鶴が舞う姿」に似ていることから「舞鶴城(ぶがくじょう)」の別名がありました。
現在の「舞鶴」の地名は、この田辺城の別名に由来しているそうです。
この田辺城は戦国時代、織田信長の命により、明智光秀とともに丹後(現在の京都府北部)を平定した細川藤孝(幽斎)な田辺の地に新しく築いた城です。関ヶ原の合戦の前哨戦として石田三成軍・1万5000人の兵に城を囲まれました。幽斎はわずか500人の兵で戦わねばなりませんでした。
圧倒的に不利な戦況でしたが対抗するため幽斎率いる軍は約2か月もの間田辺城に籠城。
しかし相手は1万5000人の軍。落城一歩寸前にまで追い詰められましたが、この時後陽成天皇の勅命で石田軍の包囲が解かれたのは有名な話です。
なぜわざわざ天皇の命で包囲が解かれたのか?というと、それは幽斎が「古今伝授」という古今和歌集の解釈を秘伝とし師から弟子につたわる方式で伝わったものを伝える唯一の人物であったからだそうです。
天皇として守らなければならない存在であったということです。その後、京極氏・牧野氏と城主が交代し幕末まで田辺城は続きました。江戸時代には北前船の寄港地として田辺城周辺は発展しましたが、明治維新に伴って1873年(明治6年)に廃城が決まり取り壊されましたが、廃城とともに公園が整備され「舞鶴公園」と名をつけられ市民の憩いの場として新たに生まれ変わりました。
1940年(昭和15年)公園入口に彰古館と呼ばれる隅櫓が建てられ、1992年には田辺城門が復元され2階を資料館としてオープンさせました。
2020年(令和2年)には新たに北側に園路が完成し、冠木門(かぶきもん)や四阿(あずまや)が整備され、昔の面影を取り戻しました。
園内には他にも石垣跡や細川幽斎の古今伝授の碑もあり、ここがいかに歴史深い場所かを教えてくれます。
田辺城まつり
1992年(平成4年)に田辺城の城門が復元されたことをきっかけに「舞鶴 細川幽斎 田辺城祭り」が毎年5月の最終日曜日に舞鶴公園と西地区商店街を中心に行われています。
ふるさと創生事業を活用して城門を復元したので、田辺城の歴史と文化を伝えるために大切にされているお祭りです。
史実を基に5つの柱で構成されています。
①第一章 いざ籠城(城門前)
慶長5年、関ヶ原の合戦2ヵ月前。閉じられている田辺城の門に向かって石田三成軍1万5000人の兵が進軍してくることを聞き、幽斎公が籠城を覚悟する様子の芝居。
②寄進米みこし(城門前)
田辺城に石田三成率いる西軍が攻め寄せることを聞いた町衆が米を寄進した故事を基にした市民参加型イベント。
北は吉原の水無月神社、西は西町見樹寺、南は朝代神社と旧町内にある神社仏閣で舞鶴の発展と市民の幸福を祈願し米俵のみこしを担ぎ、2時間余り走ります。
この祭りが始まった頃、市民や各自治体は参加意識が低く祭りの内容に改善が必要でした。そこで考えられたのがこの「寄進米みこし」。祭りの第3回目から追加され、回数を重ねるういに盛り上がるようになりましたが、市民が約2時間・4kmの道のりを走破するのは辛く担い手がいなくなってしまい、第10回目から途絶えてしまいました。あまりにも寂しいということで、祭りの第15回を機に舞鶴海上自衛隊の協力を仰ぎ復活しました!
③第二章 心種園小芝居 古今伝授(公園内あやめ池)
わずか500人の兵で籠城した幽斎軍。約2ヵ月籠城したことで1万5000人の兵を釘付けにして関ヶ原の合戦を有利に導いたと言われています。
この様子を、心種園あやめ池・中島の松を古今伝授の松に見立て、籠城の最中に行われた幽斎公と和睦を勧めに来た朝廷使者とのやりとりを芝居で表現します。
詩吟の会の協力で古今伝授の際の和歌詠みも迫力があります。
④第三章 御城下大行列 総登城(城門前)
籠城が終わり、関ヶ原の合戦も勝利!その勝利を祝って市中を凱旋行列するという設定で行われる市民参加型のイベント。
町内太鼓、子どもみこし、チビッコ武者、鎧武者等総勢1000人余りの行列で城門前から商店街を回る賑やかな内容。
⑤第四章 戦勝祝い(公園内)
幽斎公、忠興公と共に町衆が田辺城籠城と関ヶ原の合戦での戦勝を祝い、御前がお祝いの催しとして行ったであろう(!?)、町内対抗綱引き大会が行われます。
舞鶴海上自衛隊の方も参加し、祭りのフィナーレかつ、1番盛り上がるイベントです。
史実を基にしていたり、市民参加型で盛り上げたり。
かつてここにあった田辺城の歴史と文化に触れながら、市民みんなでワイワイする賑やかなお祭りです!
子ども広場
舞鶴公園内には「子ども広場」というスペースがあります。
ブランコにスプリング遊具・砂場などがあり、小さい子どもが遊ぶには十分なスペースです。
中でも田辺城に見立てた白いお城モチーフのすべり台とトンネル遊具が大人気!
小窓や鉄砲狭間、石垣が本当に石で作られていたり、細かく再現されていて本物のお城のようなので、お城に登る気分を味わえます!
子ども広場のすぐ近くには、お手洗いに芝生広場、ベンチもあるのでお弁当を持って家族でピクニックをするには絶好の場所です!
舞鶴公園沿いにJR西日本の舞鶴線の線路が通っており、子ども広場で遊びながらJR舞鶴線を走る電車を見ることもできます。
113系・115系・223系・125系などの普通電車、287系の特急まいづるなど。
北近畿タンゴ鉄道(WILLER TRAIN)のKTR8000形など、バリエーション豊富な電車がスピードに乗って走行する場面が見れるので小鉄くんや小鉄ちゃんは大喜び間違いなしです!
桜の名所
京都府内に桜の名所はたくさんありますが、この舞鶴公園もそのひとつです。舞鶴公園内にはソメイヨシノなどの桜の木約100本が植えられていて、白い彰古館(復興二層櫓)・城門(田辺城資料館)に桜が映え、その光景が美しいと人気スポットです。
例年4月上旬から中旬にかけて見頃になることが多く、桜が咲き始めるとぼんぼりが点灯し、夜桜を楽しむこともできます。
舞鶴公園内に咲く桜は、本丸跡にたんご田辺藩の旧藩士たちが植えたと伝えられ歴史ある桜です。桜の名所と呼ばれるところによく植えられている「ソメイヨシノ」。
ヨシノという名前があるから奈良県が原産かと思われがちですが、実は江戸時代末期の幕末に東京染井村(現在の豊島区駒込・巣鴨のあたり)の植木職人が「江戸彼岸」と「大島桜」を交配して生まれた種類なのです。
「ソメイヨシノ」と名がついた由来は、桜の名所として古来より名高く、西行法師の和歌にも度々詠まれた大和(現在の奈良県)の吉野山にちなんで「吉野」「吉野桜」の名で売られはじめ、急速に広まりました。
桜は2月1日以降、毎日の最高温度が600℃を超えると開花、800℃を超えると満開になるといわれています。こういうことからニュースなどで放送され桜の開花予想がされるんですね。桜を見に行く時の参考にしてみてください!
舞鶴公園内には他にもバラ園やツツジ園もありますので、桜だけではなく、ほかの花も楽しむことができますよ。舞鶴市は京都府内最大の漁港を有し、水産物流通の中核的な漁港があります。
舞鶴市内には「舞鶴のさかな」の認定を受けた飲食店舗が多く、新鮮な舞鶴の魚介類が食べられる美味しい食事が魅力です。
■凡愚(ぼんぐ)
舞鶴公園、田辺城資料館側からすぐにあるお店。
鮮度と品質にこだわる料理人が選ぶ地魚が店の看板メニュー。
鯛にハマチ、岩がき、とり貝等、その日の「旬の魚介」がお品書きにあがり、地酒も取り扱う居酒屋でありながら、手打ちうどんや定食もラインアップ。
居食屋スタイルで地元の方々からも親しまれています。
6歳以下の子どもには無料でうどんを提供していたり、個室座敷のお席があったりと、ファミリーへの配慮が厚いのがありがたいポイント。
■魚源(ととげん)
鮮魚販売店「丸富士食品」が営む和食の人気店!目玉は仲買人が厳選する魚介。
その日一番の素材が舞鶴漁港直送の魚介を中心に、東の敦賀から西の網野まで幅広く日本海各地から厳選の品々が店舗厨房に届けられ、夏は岩ガキ、春夏はのどぐろ、冬はぶりやカニなど、舞鶴の海の四季を感じられるお料理を提供してくれたす。
海鮮丼ぶり・お造り・寿司・じっくり味わえるコースまでメニューも幅広いのも魅力です。
また、舞鶴には海上自衛隊の基地があるということもあり、「舞鶴海自カレー」が大人気だそうです!
■洋食レストラン 松栄館
公園から少し離れてしまうのですが、旧海軍のレシピ本「海軍割烹術参考書」に従って、その味を再現した洋食が食べられるレストランです。
スープでとった牛すじや鳥ガラは、まるごと肉を煮込み、カレーの具材として無駄をなくす。
野菜は時短の為大ぶりに切り、など船上の暮らしに合わせた調理法が現在でもとられています。
当時の日本はイギリス流の影響が多かったことから、カレーにはスプーンでなくフォークが付いてくるなど料理から歴史を感じることもできるレストランです。
アクセス・駐車場
舞鶴公園の所在地は「京都府舞鶴市南田辺地内」、最寄り駅はJR西日本舞鶴線と京都丹後鉄道が停車する「西舞鶴駅」。
⚫西舞鶴駅から徒歩7分
⚫西舞鶴駅前バス停より京都交通バスに乗り「本町」バス停下車すぐ
⚫西舞鶴駅前バス停より4月~11月の土日祝日のみの運行バス舞鶴観光周遊バス(まちなかループ)に乗り約3分「田辺城千日前」バス停下車後すぐ
⚫舞鶴若狭自動車道「舞鶴西IC」より約10分
公園用駐車場は6台(無料)
満車の時にはすぐ近くの舞鶴市営駐車場(舞鶴市南田辺駐車場)を利用してください。
1時間以内は100円、以後30分ごと50円